木曜日の本棚

本と本に関することの記録です。

ある日突然、オタクの夫が亡くなったら?

 祖父と大叔父が、前日の夜までいつもと変わらない日常を過ごし、翌朝朝食の支度が整ったことを伝えに行ったら亡くなっていた、という亡くなり方をしたもので私は突然死についてはわりと好意的な方で。

90歳過ぎても、毎日元気で、ボケもせず、寝つくこともなく朝ご飯までの間ちょっと一眠りのつもりでそのまま苦しむことなくあの世に渡ったのは、わりと上等な死に方だな、と思っているのですが、

これ元気とはいえ祖父も大叔父も90歳を越していたので、周りの人間もいつか来ることだな、という覚悟があったからだと分かりました。

 

ある日突然いなくなるのが40代と90代では遺されたものの負担とショックがこれだけ違うのですね。

 

これは前日まで、いつもと変わらない日常を過ごし、翌朝

「お父さん、そろそろ起きようよ。朝だよ、クレープ食べよう」

 と、朝食の用意が整ったことを告げに行った時、夫の異変に気づいた妻の描くマンガと、身近な人が突然亡くなった時、遺された人は何をしなければいけないのか?というライターさんがまとめた情報が対になって書かれているという大変使える本です。

 

この奥様、東日本震災で被災した時もツイッターにマンガをUPしていたから大変なことがあった時、描くことで自分を落ち着かせようとするタイプなのでしょうね。

(そういえばマンガ家のDrモローさんが「お父様の経営する会社が倒産して、家業についていたご兄弟も含めてモローさん以外の家族は全員無職 & 会社の借入金の担保にしていたのでモローさん含めてご家族全員自宅を失うことが決定」という状況をご自分のブログでマンガにしていましたね。

「こうやってマンガにしないと現実を受け止められなくて吐きそうなんです」

表現を生業とする人には過酷な現実を表現することで乗り越えようとする人が多いのでしょうね)

 

あと、とてもリアルだなと思ったのが「どれから手をつけたらいいんだろう?」という悩みや「もっと一緒にいたかった」という悲しみの中にさらりと

「あ、なんか死にたい」「つかれた」という言葉が混ざって出てくるあたり。

 

ストレス関係の本を読んでいると人にストレスを与えるものNo.1は「配偶者の死」と出てくるから、なんの不思議もないのですが、ふっと当たり前のように死や疲れが言葉として出てくるあたり、きつさがひしひしと伝わってきますね。