木曜日の本棚

本と本に関することの記録です。

地の果ての獄

ゴールデンカムイが実写映画も含めて好評なので、色々関連書籍が出てますね。おかげで関東でもアイヌ関係の書籍が手に入れやすくなったのは有難いのですが、同じく北海道を舞台にした和風ウエスタンということで地の果ての獄にも手を出す人はいないかな?

「地の果ての獄」角川からも文庫が出ているのだけれど、私はちくまのシンプルな装丁の方が好き。

文春からは電子書籍も出てますね。本の収納場所に悩んでいる人には、こちらの方が有難いのかな?

山田風太郎にハズレなし!」で、特に明治ものは傑作揃いなのだけど、いかんせん場所を取りますものね。

北海道・月形の樺戸集治監に看守として着任した薩摩出身の若者、有馬四郎助が主人公なのだけど、どちらかというと主人公というより狂言回し的な役割ですね。

山田風太郎の明治ものは、連作短編集だと思って読んでいたら、最後まで読むと短編集ではなく、一つの大きな物語を一章ずつ語っていただけだったと気づくパターンが多いけれど、これもその一つ。

「明治十手架」の主人公、原胤昭が有馬四郎助に影響を与えた教悔師として出てきますね。

そのせいか、「雪は全ての罪を覆いつくす」で雪の白さと北海道の厳しい自然に救われたのだろう、と思う人間模様の物語ですね。