木曜日の本棚

本と本に関することの記録です。

2020-01-01から1年間の記事一覧

天、共に在り

ペシャワール会の人たちも連絡が来るまで知らなかったそうですが、内閣府の国際広報事業で日本を伝える為の一冊として英訳されたそうですね。 (「PROVIDENCE WAS WITHUS」というタイトルで12月4日に出版されています) これ内閣府が「日本を伝える為の一冊…

旅ごころはリュートに乗って: 歌がみちびく中世巡礼

今年は、これを読んでいる時にこれが起こるのかと思うことが多々ありまして。(「石井光太さんの『赤ちゃんをわが子ととして育てる方を求む』を読んでいる時に特別養子縁組をした芸人が同じように特別養子を迎えたママ友と親子パーティを開きましたというブ…

麒麟館グラフティ

ふと思い出して、古い少女マンガで 「仕事も出来て、地元の名家の息子なのに偉ぶりもしない凄い人。なのに奥さんに我儘な奥さんに家出されたんだって。可哀そうだね」 と世間から見られていた人が、実はサイコパスなモラハラDV野郎で、逃げ出した奥さんと…

子ども虐待は、なくせる

これは、ともかく読むのに時間がかる本でした。私は本を読む速度は、そんなに遅くないと思うのですが、内容がきついとなかなか読み進まないのですよね。 だいたい虐待について丁寧に取材した本はどれもなかなか読み進められないものですが、この本はその上デ…

おじいちゃんの里帰り

FBで就職活動中の女子大生が生まれたばかりの我が子を殺してしまった事件の解説が流れてきたけれど、それを見たらこの映画のことを思い出しました。 www3.nhk.or.jp これトルコ移民の家族が「故郷に帰る」という祖父の言葉で一族全員でドイツからトルコまで…

チキタ★GUGU

鬼滅の刃絡みでデビルマンの最後が流れてきたので、ああ、あのキャラクターの死って完璧にデビルマンへのオマージュだよね、とこれを思い出しました。 デビルマン、終わり方が衝撃的だったせいか影響を受けた作家が多くて、これオマージュだろうなと思う作品…

海街diary9 行ってくる

海街diary、今頃最終巻を読んだのだけれど四姉妹が家族になっていく姿を描いだ物語を、家族になれなかった弟の話で閉じるところが吉田秋生だなあ、と思いました。 あ、本編自体は家族の物語として閉じてます。本編の後、本編から十年後の話が短編として入っ…

常盤とよ子が写した戦後横浜の女性たち

たまたま用事があってユーラシア博物館の近くを通ったので、今何をやっているのかな?とのぞいていみたのですが、ちょうど準備期間中で常設展しかやっていなかったのです。 常設展ならいいか、と見るのをやめたのですが、1階で常盤とよ子さんという写真家の…

うさぎとマツコの往復書簡

基本的に、この人達凄く真面目なんだなと思うと同時に玉ねぎの皮をむいたら実がある筈と一生懸命剥いて、剥いて、どの玉ねぎにも実がなかった、こんなに剥いたのに実がなかったと嘆いているような対談だな、と思いました。 つまり、この人の抱えている虚無が…

日本人の忘れもの

大陸の残留邦人と違って、南洋の残留邦人のことはあまり話題にあがりませんね。 一つには、国策として市町村に送り出す移民の数へのノルマを課してまで送り出した満州開拓団と民間人が主体の南洋移民街との違いもあるでしょうし、フィリピンの残留邦人が現地…

捨てるような本なら買わない。

「本は読んだら捨てる」という言葉がFBで流れてきて「捨てられるような本だったら最初から買わないわよ」と言った友達を思い出し、ああ、だから私の友達は引越し屋さん泣かせの人が多いのだなあ、と思いました。 「引っ越しを気に持っていく本を選んだわ」 …

愛しい我が汝兄の命を英訳するとどうなるか?

今月の古事記の講座の時、イザナミ、イザナギの話が出てきたので「あれ、愛しき我が汝妹の命」「愛しき我汝兄の命」って英語だとどういう訳したっけ?と疑問が湧きました。 すぐには思い出せなかったので本棚から「 Dragon Sword and Wind child 」を手にと…

インディアンとカジノ

アメリカの暴動が起きている時に読んでいるとアメリカの抱えている矛盾とかアメリカ社会の本音と建前とか色々見えてきて面白い。 アメリカインディアン史って単純に先住民族の歴史というだけでなく、アメリカ社会の複雑さや厄介さを映し出す鏡にもなるから凄…

知事抹殺

FBで検察官の定年延長問題で福島県の佐藤知事が逮捕された時の話が流れてきまして。 知事を起訴したのが今話題になっている黒川検事長だった、ということらしいですが、それ見たら同じ福島の大野病院事件のことを思い出しまして。 あの担当検事は、その後ど…

泥棒をつかまえろ!

岡村さんのラジオでの発言大炎上しましたね。 togetter.com 岡村さんのラジオでの発言はツッコミどころ満載だし、炎上するのも無理はないと思うのですが、NHKに岡村さんの降板や「女性の貧困問題についての現状」、「フェミニズムとは?」をしっかりと勉強で…

男たちの天地

昔、氷室冴子さんのエッセイで 「是非、女性に聞いてみたいのだけど十代の頃『なんて素敵!カッコいい!こういうのが男の中の男だわ!』 と思って読んだ小説の登場人物を三十路近くなった今読み返すと 『え、でもこういう人って一緒に暮らすと大変そう。間違…

小説・捨てていく話

FBのブックカバーチャレンジで松谷みよ子さんの「小さいモモちゃん」の表紙が回ってきたので、懐かしいなあと思ったらこれを思い出しました。 これは「小さいモモちゃん」をモモちゃんのママの側から見た話。 「小さいモモちゃん」は松谷みよ子さんが娘さん…

カルバニア物語

コロナ騒動があってから、ああ、これあの作品でもあったよね、と思うことが増えましたね。フィクションと現実との垣根ってけっこう低かったんだな、と思うことがわりにあっさり起こるので 「こんなの物語の中だから起こることで現実でこんなバカなことは起こ…

質問

家にいる時間が多いので、本棚を整理したのですが、こういう時に読むのはいい本ですよね。 たしか、近代文学館で「寺山修司展」をやった時に買った本ですね。(私、世の中に影響を与えた70年代のカリスマというと三島由紀夫ではなく寺山修司の方が浮かぶんで…

経済政策で人は死ぬか?: 公衆衛生学から見た不況対策

これ読みながら、小泉竹中改革を思い出して、光瀬龍の「百億の昼と千億の夜」の中で阿修羅王が叫んだ「アトランティスの実験が失敗したのは幸いだった!神の計画が成功していたら、その時点で人類は滅亡していただろう!」 という言葉を連想してしまいました…

自衛隊式片づけ術

いわゆるお片付け本なのですが面白かったです。こんまりさんみたいにお片付けが好きで得意という人には必要はないでしょうが苦手な人にはこの本みたいに 「そうじ、片づけの目的はなんだ?」 「サバイバルです!」 「なんの為に行う?」 「自分の持ち物を1…

アデライトの花

しかしTONOさんも自分が感染パニックものを連載中に現実で感染パニックが起こるとは思わなかったでしょうね。(^_^;) 1巻は病気の発生、2巻は病気の拡大だから、3巻は感染パニックが描かれるんじゃないかな?と思うけど3巻はいつ出るのだろう? これ街一番の…

この世界のさらにいくつもの片隅に

同じ話をまったく違う映画にして見せてくれたのは単純に凄いなと思いました。いやあ3時間早かったです。 ikutsumono-katasumini.jp 「この世界の片隅に」では、潔くバッサリ切った「この物語でがリンさんはどういう位置づけにある人なのか?」を丁寧に書いて…