木曜日の本棚

本と本に関することの記録です。

アデライトの花

しかしTONOさんも自分が感染パニックものを連載中に現実で感染パニックが起こるとは思わなかったでしょうね。(^_^;)

 

1巻は病気の発生、2巻は病気の拡大だから、3巻は感染パニックが描かれるんじゃないかな?と思うけど3巻はいつ出るのだろう?

 

これ街一番の名家の息子の視点で描かれていて、彼はなぜか少数の人間以外は動物の姿に見えるということで人間の姿で描かれているのは少年とその母と姉。異母弟と弟の母 くらいで、その他の登場人物は全て人間以外の姿。

 

祖母はペンギン、父は白頭鷲、召使い達は犬や猫やウサギ。

 

TONOさんは「猫で語る怪異」で

「ホラーは大好きだけど怖いものや気持ち悪いものは描きたくない。そうだわ、全て可愛い猫に置き換えて怖い話を描けばいいんだわ!」

と登場人物全て猫に置き換えて、書評で

「猫でも怖いよ!」

とツッコミを入れられていたので、人の姿で描いたら読者がついていけないことが起きる人は可愛い動物の姿に置き換えているんじゃないかな?

 

ペンギンのおばあさま、凄く正直で聡明な人なんだけど、人の姿で描かれたらひく人もいるかもな。とはいえ息子を殴った後言った

「いいかい、よく覚えておいき。人はみんな歯を食い縛り、涙を堪えておこなっているんだ。残酷なことを!

残酷なことが出来ない人間はクズだ!残酷なことが出来ない人間が地獄を作るんだよ!」

は、やっぱり名台詞だと思うの。

 

ほんと、この人は可愛い絵柄でサラリとえげつなく本当のことを描く人だ。人の醜いところや美しいところ。救いのないところや希望のみいだされるところを乾いたユーモアで描きますね。

 

人間って、こういうものよね、という善悪に流されないドライな視点がある気がします。

 

 

アデライトの花(1) (Nemuki+コミックス)

アデライトの花(1) (Nemuki+コミックス)

  • 作者:TONO
  • 発売日: 2017/02/07
  • メディア: Kindle