木曜日の本棚

本と本に関することの記録です。

2023-01-01から1年間の記事一覧

いもうと物語

埼玉のトンデモ条例の廃案にされる前に、県議団の団長が 「留守番は虐待です」 と発言していたのを見て、そういえば氷室冴子の「いもうと物語」で、主人公がTVのニュースで 「鍵っ子は、可哀想」 とキャスターが発言しているのを見て 「何、おかしなことを言…

原爆 広島を復興させた人々

東日本震災で、惨状の大きさに手が回り切れず体育館にもののように安置された人々を「ご遺体」として荼毘する為に、全力を尽くした人々の姿を記したように、石井光太さんは「自分の力では、どうにもならないと分かっていることに立ち向かう勇気ある人々」の…

スポットライト 世紀のスクープ

ジャニーズ事務所の性被害の記事で一番引っかかったのは取材した記者が海外の記者達から言われた 「どうして日本のマスコミは、この件について報道しなかったの?日本人は、権力者の性犯罪について甘いんじゃないか?」 という一言で。 山下達郎さんが叩かれ…

生きる- LIVING

黒澤明の「生きる」を、カズオイシグロ脚本でリメイクしたものですが、違和感仕事しろと思うくらいイギリス映画でしたね。 出たしから、「ああ、カズオイシグロの世界だ」という感じなのですが、カズオイシグロ、オリジナルの「生きる」のこと、どれだけ好き…

「正しさ」の商人

震災の後、各地域に残っていた後世への警句を記した石碑が話題になっていましたが、これは「災害時における情報災害がどれほど被害を与えるのか?」ということを身をもって体験した福島県民が、自分達と同じように長期間情報災害で苦しめられる人が生まれな…

9で割れ

先日、東京で原画展が開催された矢口高雄先生の銀行員時代の話が Kindle Unlimitedで読み放題になっていますね。 矢口先生の自伝自体が、今では変わってしまった当時の農村の生活の貴重な記録となっているという評価もありますが、それで言ったらこの話は昭…

犬の伊勢参り

「ハチ参る」の最初の方に参宮犬とは何か?について触れられておりますが、もっと深く参宮犬について知りたい人には、これがお勧めかも。 この本、犬のお伊勢参りが何故起こったのか?何故廃れたのか?をそれぞれ記しているので、そこから色々と考えることが…

ハチ参る

遠藤さんといえば、遠藤さんの犬好きが色濃く出た作品がありましたね。 江戸時代、お伊勢参りは庶民の憧れの的。とはいえ、交通機関が徒歩か馬だった当時、遠い伊勢まではなかなか行けるものではない。 そこで本人に代わって、お伊勢様に代参してくれる犬が…

退引町お騒がせ界隈

技術の断絶について色々と聞く機会がありまして。学校やアマチュアという形でも技術は伝えていけないだろうか。技術は断絶させないことが大事なんだとお聞きして、遠藤淑子さんの初期作にそういう話があったなあ、と思い出したりして。 失恋と進路決定時期が…