木曜日の本棚

本と本に関することの記録です。

天、共に在り

ペシャワール会の人たちも連絡が来るまで知らなかったそうですが、内閣府の国際広報事業で日本を伝える為の一冊として英訳されたそうですね。

(「PROVIDENCE  WAS  WITHUS」というタイトルで12月4日に出版されています)

これ内閣府が「日本を伝える為の一冊」として選んだところが凄いなあ。内容は濃くて、深くていい本だけど(時間があるお正月には読むにはピッタリの本だと思う)、いわゆる「日本スゲー」の人達が喜ぶような本ではないと思うんですよね。

中村先生、正直な人だから現代日本について結構辛口なことも書いてるし、またそれが筋が通った的をいた書き方で書くから頷くしかないんですよね。

ただ「日本スゲー」の人達には不満があろうとなかろうと、この本は英訳されても読者はつくと思う。

「人とは、どう生きるべきか?」という問いへの答えを求めて煩悶するのは世界共通だし、生き方でその問いへの答えを示した人の記録は国に関係なく読みたがる人はいるでしょうから。

 そういう意味では内閣府の国際広報事業は、きちんと税金を使った仕事をしてますよね。世界に伝えるべき本をしっかりと選んでいる。

 

これ版元はNHK出版だから中村先生の他の本に比べて比較的手に入りやすいのじゃなかなあ。他の本は九州以外の方は本屋で見つけるのは紀伊國屋クラスの大型書店でないと難しいかも。

もっとも地方出版物流通センターに加盟しているようなので地元の書店に頼んで取り寄せてもらう可能ですけどね。

 

天、共に在り アフガニスタン三十年の闘い

天、共に在り アフガニスタン三十年の闘い

  • 作者:中村 哲
  • 発売日: 2013/10/24
  • メディア: 単行本