木曜日の本棚

本と本に関することの記録です。

日本人の忘れもの

大陸の残留邦人と違って、南洋の残留邦人のことはあまり話題にあがりませんね。

一つには、国策として市町村に送り出す移民の数へのノルマを課してまで送り出した満州開拓団と民間人が主体の南洋移民街との違いもあるでしょうし、フィリピンの残留邦人が現地女性との間に生まれた子供達であることも、その子供達が自分が日本人の子として知られて殺されることを怖れて、自分達の出生を証明する書類を処分してしまったということも大きいのでしょね。

満州でさえ民間人を盾にして関東軍の上層部は逃げてますものね。

まして母親が日本人でない子供達は日本人同士ない子供達は政府にとっては助ける必要性を感じなかったのでしょう。

 

たとえ徴用された父親達が残していく妻と子供達に

「父の国である日本が必ずおまえ達を助けてくれる筈だ。日本人として誇りを持って生きろ」

 と、書き記したとしても、この国は裏切るのですよねえ。何度も、何度も。棄民の伝統がありますからねえ。

 国を信じた裏切られたという例は、明治以来いくつも見つけることが出来るのですよね。

フィリピン在留邦人の調査しているNGOが、こういう人達の存在をすくあげることを

しているけど、これ本来は民間ではなく国がやることですよねえ。

eiga.com

この映画のこと、ニュースでも取り上げられましたね。でも、こういう人達の存在を見たがらない日本人は多いよね。

www3.nhk.or.jp