湯本さんも酒井さんも大好きなので、
「湯本香樹実が文、酒井駒子 絵、これは買わないわけにはいかないでしょう❗️」
と、本屋をのぞいたら、ちゃんと置いてあったので買ってしまいました。
昨今、児童書コーナーは貧弱な本屋が珍しくないなか、わりと充実している本屋が近くにある有り難み。
絵本なんかは、好みがあるから、しっかり中を確認してから選びたいのですよね。
そして魅力的な絵本は、うっかり財布の紐を軽くする。
これは図書館で借りるだけじゃなくて、じっくりと手元に置いて読もう、と思った本を買ったばかりだったので、
「湯本さんの新刊見つけたのはいいけど、今月の図書予算を考えると来月まで待つか」
と思ったのですが、中をパラパラしたら
「どうせ来月買うんだから、今月買っても同じじゃない」
に考えが変わってしまいました。いいのよ!初版分は、初版限定酒井さんのオリジナルポストカードがついているし。
湯本さんの本は「死」と「出会い」を描く作品が多いですよね。
デビュー作の「夏の庭」からして「人が死ぬのを見たことがないから、一人暮らしのおじいさんの生活を観察する小学生達」の話だし。
あれも一つの出会いが双方に与えた変化を書いてましたね。
今回は、橋の上での、ただ一度の出会いだから小学生側の視点だけど、この後このおじさんはどうしたのかな?とか、おじさん別れる時振り返らなかったんだな、とか色々と想像が膨らみますね。
苦しい時というのは、子供に限らず自分の苦しさに閉じ込められている状態だから、そうでないのだと知ることだけで救われることもあるのでしょう。
たとえ苦しさ自体は変わらなくても、自分の中に水脈があることを、水辺に佇む人達がいるということを知っているだけで見えてくる世界は変わってくる。
自分の中にある「ここではないどこか」
もっとも自分の中にそういう世界があることを封じてしまっている人も、そもそもあることにすら気づかないままの人も多いのでしょうね。
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