芸能人の薬物逮捕で思い出したのですが、こちらの本は一章丸々薬物依存についての話でしたね。
少年院に入所すると、ほとんどのものは栄養状態が改善されて太る(幼少時から虐待されてまともな食事を与えられていない。まともな食事を与えられていないからバランスのとれた食事をとる習慣がない)と、書かれてましたが、そうすると空腹から逃れる為に薬物に手を出す、というのもありそうですね。(シンナーなどでは、そういう話を読んだ気がします)
少年院に収容される青少年のほとんどは、家庭になんらかの問題があるが虐待されて育ったことが犯罪に結びつくわけではなく、虐待された人の8割は犯罪とは無縁の人として成長する、というところがミソ。
親から虐待されて育っても、守ってくれたり、庇ってくれたりした大人を得た人は犯罪とは無縁の人に育つという言葉に現行の法律の不備を訴えていた今一生さんの
「俺を守ろうとしてくれたおばさん。庇ってくれた先生。俺がその人達のところに逃げ出したら、どうしてその人達が犯罪者になるんだよ。どうして、俺は俺を守ろうとしてくれた人達の元へ逃げ出せず、俺を虐待する親のところに戻らなければいけなかったんだよ」
という言葉を思い出したりして。
自分を守ろうとしてくれた大人がいる。自分は守られる価値があると思って育つことができるって大事よね。
「ケーキの切れない非行少年たち」が話題になりましたが、犯罪を犯すものの中になんらかの障害をもつものがいる、ということについては刑務所関係者には自明の理だったのですね。
「ただし、犯罪を犯したものが立ち直れるかどうかについては障害は関係ない」
とはっきり明言してますね。
「その子が知的障害や発達障害を持っていることより、その子が『自分は愛された』と思える記憶を持っているかどうかが大事なんだ」
と。
ただ知的障害や発達障害をもつ子供は、いわゆる「育てにくい子」である為、親から虐待を受けるリスクが高く(また子供が発達障害である場合、気づいていないだけ親自身も発達障害を持っていることも多い)、本来障害のない子供よりも適切な支援と教育を必要とする子が、それらを得られず、さらに虐待によって脳の成育が阻害され問題行動を起こしやすくなる、ということはあるそうです。